「第7回文具教室/三星安澄」レポート

2009 . 04 . 28 ( Tue )

「第7回文具教室/三星安澄」レポート
つくし文具店店主 萩原 修

2009年4月11日(土)
文具教室の第7回のゲストは、三星安澄さん。
8名の人が参加してくれました。

「実は、コンプレックスのかたまりなんです。今日は、告白します」という衝撃の発言からはじまった今回の文具教室。いったいどんな話だったのでしょうか。

現在は、グラフィックデザイナーとして活躍する三星さん。実は一度も就職したことがないことがコンプレックスのひとつだと言います。そして、学校でもグラフィックデザインを学んだことがないのもこのままでいいのだろうかと疑問に思うことがあるらしいです。学んだことも、仕事をしたこともないのに、いつのまにかデザインを仕事にしてしまうなんて、それを天性の素質と言わずしてなんと言えばいいのでしょうか。

大学に進学する前に、「色弱」だということがわかり、めざしていたグラフィックデザインの世界を一度はあきらめた三星さん。しかたなく大学は、建築学科に進みますが、学校になじめずに、なぜか家でゲームをつくる日々が続いたと言います。建築の課題にリアリティが持てずに、自分の手の中でできることを模索したようです。ことばでルールをつくり、それをかたちにしていく作業を続けます。驚くことに、完成したゲームは、しばらくの間、誰とも遊ぶことはなかったようです。

自分でルールをつくり、そこからかたちをつくっていくデザインの基礎は、そうして身についていったようです。卒論では、素直にこれまでの論文を参考にしてそこに何かを加えるという方法に納得できず、「方法を考える」という論文にしたようです。根底を疑い、ゼロからルールを構築していくことこそ、建築っぽいなあと思います。そして、卒業制作では、最初から大きな建築から考えることをせずに、ゲームをする人たちのために必要なモノを揃えていきながら、そのために必要な空間をつくりだすという方法論で設計していきます。

卒業後は、就職はせずに、先輩の手伝いをしながら、少しずつ仕事を覚えていきます。
最近では、「かみの工作所」のディレクターとして、「かみめがね」や「めいしばこ」など、平面的な紙から立体を立ち上げる商品をデザインしています。とにかく気がすむまで、造形的なことをつきつめていく姿勢は、まるで研究者のようです。三星さん自身も、できることなら制約なしに造形の原理をとことんまで研究できる環境が欲しいようです。

知的で、理系な三星さんがつくる造形の世界。新しいルールにもとずいた文具のかたちが、どんなふうになるのか期待したいと思います。



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